チャイルドフリーで生きる

子どもがいない人々が生きやすい社会へ

不妊治療…どうする?

こんにちは。緑かおるです。
夫の検査の詳細がでました。

もう一つの希望

夫の退院後、再受診しました。
検査結果の詳細が出ていました。

結果は、
精子がまったくいない
というものでした。

手術後すぐに結果は聞いていましたが、
やっぱり、でした。

夫も
「そうですか」
以外の言葉を発しませんでした。

その時、ふと京都大学の山中教授が頭の中をよぎりました。
「iPSは出来ませんか?」
思わず口をついて出ました。
しかし、iPSが世間で認知されたばかりだったので、
まだ実用化の段階ではないだろう、と言われました。

ですよね…としか言えませんでした。

当時、男性不妊が判明した夫婦から必ず聞かれたそうです。

これで診察は終了か…と思っていたところ、
医師から
「お子さんを持つ方法が一つあります。」
と話がありました。

それは、
非配偶者間人工授精(AID)というもので、
病院から提供を受けた精子を使って人工授精を行なうということでした。

精子は誰のものか知ることはできないが、
感染症や遺伝性の病気について心配のないものである、
と説明を受けました。

また、
関東圏では2ヶ所の病院で行なっている、ということでした。

ただし、倫理・子どもの知る権利、というものがあるので
よく考えて希望するなら紹介状を書きます、と言われました。

AIDの詳しい説明書をもらい、
実施している病院を教えてもらい、
その日は帰宅しました。

夫と子ども+わんこ、3人と1匹での暮らし。

子どものいる友人たちに、どんな暮らしをしているのか、
大変な事はあるのか、楽しい事はあるのか、
AIDという、父親のわからない子どもを持つこと、
その子のアイデンティティはどうなるのか、
男女さまざまな友人たちに相談や聞き取りをしました。

 

特に、子どものアイデンティティについて毎日考えました。

旦那さんの子どもを産んだ友人からは、
「かおるの旦那さんが、その子を愛せるか、
もし愛せないなら止めた方が良い。」

「かおるが旦那さんと血のつながらない子を産む、
っていう強い決心があるのなら、味方になる。
子どもを育てるって楽しいけど、大変なことだから。」
そう言われました。

移植を受けた友人からは、
「私の臓器だって誰のものかわからないよ。
私の子どもはドナーさんの血をひくのだから。」
そう言われました。

シングルマザーで育った友人からは、
「自分だって父親わからないよ。
自分の父親は、育ててくれた爺ちゃんだと思ってる。」
そう言われました。


夫と2ヶ月間、毎日毎日、話し合いました。

これは自分たちのエゴではないのか?
子どもが大きくなった時、その子はどんな思いになるのか?
自分がAIDだった、という人の訴えの記事も読みました。

悩んで、考えて、よく考えたうえで、私たちは

 

AIDをする

 

そう決めました。

つづく