チャイルドフリーで生きる

子どもがいない人々が生きやすい社会へ

他人をこんなにも傷つける人っているんだ…

こんにちは。緑かおるです。
前回のつづきです。

許せない医者

AIDをすることを決心し、病院から紹介状をもらいました。
前回も書いたのですが、都内で行なっている病院は2ヶ所。
大学病院と診療所。

私の持病を考慮し、大学病院を受診することにしました。

病院にAID希望であることを告げて予約を入れた際、
受診は奥さん1人でいいですよ、と言われたので、
私1人で行きました。

婦人科の窓口で再度AIDを希望している事を告げ、
夫婦の既往歴・家族の同意・職歴について問診を受け、
いざ、診察室へ。

問診を担当した医師とは別の医師の診察でした。

内診を受け、婦人科系に異常が無い事を確認したうえで、
再度、AIDの意思の確認がありました。

2ヶ月も夫婦で話し合っての結論でしたので、
希望の意思は変わらないことを告げました。

すると、するとですよ、
医師からこんなことを言われました。


AID本当はしたくないんだよね。


一瞬、耳を疑いました。

病院のホームページに、
AIDをしていること・これまでの実績など
自信ありげにデカデカと記載されていたのにです。

「それは、先生個人の意見ですか?病院としての意見ですか?」
と聞きました。

「私の意見は病院の意見です。」
あなたのような可哀そうな人のためにやってあげてるんですよ。」
「それに緑さん、てんかんですよね。だから、やりたくないんですよ。」
「知る権利のこと簡単に考えてもらっては困りますしね。」
矢継ぎ早に言われました。

何言ってんだ、このバカ医者!
簡単に考えて来てるわけないだろうが!
可哀そうな人って、おまえ、患者に言うセリフか!

口をついて出そうになるのをグッと堪えました。
きちんと、てんかんの主治医からの診断書も提出したのに。
ちゃんと、てんかんの主治医からの依頼書も提出したのに。

「とりあえず血液検査して帰ってもらって結構です。
その後のことは看護師に聞いてください。」

医師は私からクルッと背を向けて診察室を出ていきました。


体中がふるえました。
泣きそうになるのを堪えるのに必死でした。

診察室を出ると看護師が私を追いかけて来ました。
「大丈夫ですか?」そう言って背中をさすってくれました。


あの日の医師の言葉は、今でも一語一句、正確に覚えています。
忘れられないくらい心をえぐられた言葉です。
思い出すと、今でも涙が出るんです。


こんな医者がいるから、
日本でのフリーチャイルドの研究が
先進国のうちで一番遅れる要因になってるんだと思います。


血液検査を受け、診察料を支払い病院を後にしました。

帰りの電車の中、同じ車両に妊婦さんや子連れ夫婦が乗っていました。
1~2歳の子どもが嬉しそうにキャッキャと笑っているのを見た途端、
堪えていた涙が溢れてきました。

自宅までの1時間の帰り道、涙が止まりませんでした。

泣きながら電車を乗り継ぎ、
自宅近くのコンビニで昼食を買い、帰宅しました。

泣きながらとか、今思うと迷惑な人ですね。

夫から「どうだった?」と電話があり、要点だけ伝えました。
あんなに泣いたのは、両親が死んだ時以来です。

私の泣きっぷりに、これはただ事ではないと思った夫は、
病院にその医師を名指して事の次第を問い正し、
その医師に、医者の職業倫理について説教をしたようです。

この日から、私は精神的に病んでしまい、
食べては嘔吐を繰り返すようになりました。

気晴らしに出かけた大好きなテーマパークも
入園して1時間もしないうちに嘔吐。
呼吸も上手く出来なくなり、
立っていることもままならず帰ってくる、という状態でした。

「あの病院はやめよう。精神衛生上よくない。」
夫から言われ、私も納得し、受診をやめました。

 

そして、もう一つの診療所に受診の電話をいれたところ、
精子が足りなくて、新しい患者様の受入れを一時中断しています」
「再開したらホームページに載せますので、お待ちください」
と言われ、1年待ちましたが再開されず、

私たちのAID治療は、身も心もズタズタに傷つけられて終わりました。